プロ・ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ( 72.5Kg以下で全17階級中5番目に重い階級 )が昨日の20日に有明コ ロシアム( 東京都江東区有明2 )で行われた。
WBAミドル級・暫定王者の「 アッサン・エンダム 」選手( ハッサン・ヌダム・ヌジカム Hassan N'Dam N'Jikam )【 33 】に挑戦したのは同級世界2位の「 村田諒太 」選手( 帝拳ボクシングジム )【 31 】だった。
【 本稿の記事ページの目次 】
審判員の判定が、おかしいと波紋
2012年ロンドンオリンピックの金メダリストでもある村田選手は手堅くガードを固めつつも4Rにチャンピオンのエンダムからダウンを奪い、7Rにもスリップダウンを奪う堅調な試合運び。
試合は最終ラウンドの12Rまで、もつれ込み有利かと思われた村田選手の世界初挑戦は1対2で、まさかの判定負けで世界チャンピオンの座を射止めることは出来なかった。
試合終了後、審判員のジャッジが読み上げられる時、試合会場の有明コ ロシアム内は2回、大きな「 エェーッ!? 」という、どよめきが起こったっ!
このWBAミドル級王座決定戦で正規の世界チャンピオンになったカメルーン出身のアッサン・エンダム選手【 フランス国籍 】の戦績は36勝2敗。
一方、「 疑惑の判定 」だと囁かれるなか、プロ転向後、初黒星を喫した村田選手の戦績は12勝1敗。
帝拳の本田明彦会長【 69 】は、この理不尽なジャッジメントに、相当お冠の様子で次の様に語った。
( 以下「 THE PAGE 」から引用 )↓
“「 長くボクシング界に居るが、こんなひどい判定は
見た事がない。ワンサイドの試合。
ボクシングの信用が無くなってしまう判定だ 」”
( 引用ココまで )↑
各審判員のジャッジメント・スコア( 得点 )は「 グスタボ・パディージャ 」氏( 59 )【 パナマ 】が111対116でアッサン・エンダム。
「 ラウルカイズ・シニア 」氏( 60 )【 アメリカ 】が117対110で村田諒太。
レフリーの経験も有る「 ヒュバート・アール 」氏( 70 )【 カナダ 】が112対115でアッサン・エンダム。
この疑惑の判定はTwitterなどを始めとするインターネット界隈でも「 おかしくね? 」などと書き込まれ騒然を極めているが、今日は関連URLの外部リンクをビシバシ貼りまくりで、このWBAミドル級の世界王座決定戦「 疑惑の判定問題 」を徹底検証する所存。
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※2017年9月15日追記:村田選手に劣勢の誤判定を採点したジャッジマン2人を6か月の資格停止処分とし、10月22日にWBAの世界再戦試合が行われる。
パナマのグスタボ・パディージャ判定員
では3名居るWBA世界ミドル級タイトルマッチの「 判定員 」( Judge )の1人目は「 111-116 」のスコアでアッサン・エンダムに軍配を上げたパナマ国の「 Gustavo Padilla 」氏。【 WBA判定員の6か月資格停止処分 】
パディージャ判定員のWBAプロフィールは現在、削除されている。
スコアを見ていくと、サスガに村田選手が王者にダウンを奪った4Rとスリップ・ロープさせた7Rを含む4,6,7ラウンドは村田選手に軍配を上げているが、それ以外は全てエンダム選手を支持。
3名いるスコアラーのうち、村田選手に対して最も厳しい得点を記録している、このパディージャ判定員は今回の村田諒太選手の対戦相手、エンダム選手が2016年の12月に行ったアルフォンソ・ブランコ戦の試合のレフリーも務められている。
なお、この試合で勝利を収めたエンダム選手がミドル級の暫定王者となり、今回の村田選手との試合で疑惑の判定勝ち後に正規のチャンピオンに、なった。
USA米国のラウル・カイズ・シニア判定員
3名居るジャッジマンの中で唯一、村田選手に軍配を上げたアメリカの「 Raul Caiz, Sr. 」氏は「 117-110 」の採点であった。
ラウルカイズシニア氏のプロフィール。↓
他の判定員がエンダムに得点を入れているのだから、勝ちでも僅差か?と思いきや、7Pointも採点に開きがある。
カナダのヒュバート・アール判定員
3人目はジャッジメントの判定員だけでなく、レフリーの経験も有るカナダの「 hubert earle 」氏のスコアは「 112-115 」でエンダム選手を支持している。【 6か月の資格停止処分 】
ヒュバート・アール氏のWBAプロフィールも現在、削除されている。
こちらの判定員、アール氏のスコアは3点差と接戦であるが、村田選手がエンダム選手にダウンを奪った4ラウンドから、8ラウンドまでが、すべて村田選手有利の記録をスコアリングしている。
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世界タイトルマッチの採点基準
世界戦は全12ラウンド制で行われ、採点方式は各ラウンドごとに優勢な選手に10点を付け、劣勢な相手には減点を加える「 10ポイント・マストシステム 」が採用されている。
その採点基準は主に4項目あり、
1.クリーンヒット、
2.有効な攻勢、
3.リングの主導権、
4.有効な防御の4つである。↓
これらの採点基準を元にして、判定員は選手の判定を行って行くのであるが今回は、この得点自体が何か、おかしいのでは?という疑惑が上がっている格好。
この事は後ほど詳しく記述するが、ざっくり言って採点している判定員は神様でなく人間なのだ。
したがって、どうしても100%公正で平等な判定は最初から望むのは無理な話しで、さすがに八百長などとは言わないまでも、いくぶんかの主観は入るのは致し方ない事なのかも知れない。
極端な話し「 ロンドン五輪で金メダルを獲りつつも世界王者のベルトまで手にされるのに抵抗が有る 」と思う場合も無きなしにあらずで有る。
元ミドル級世界王者の竹原慎二氏のコメント
現時点では日本人で唯一の元ミドル級世界王者の竹原慎二氏【 45 】も村田選手にコメントを寄せている。
( 以下「 日刊スポーツ 」から引用 )↓
「 自分の採点では5ポイント村田君が勝っていた。
すごく残念。 」
( 引用ココまで )↑
近年はステージⅣの膀胱癌から奇跡的な復帰を果たした竹原氏だが、「 もう一度チャンスを 」と村田選手を応援している。
47才になりました
— 竹原慎二 (@shinji_take125) 2019年1月27日
毎年恒例の誕生日パーティー pic.twitter.com/WQbE1x5ln2
亀田興毅氏の疑惑の判定とバッシング問題
で、今回のWBAミドル級世界王座決定戦の「 判定疑惑 」の、まとめに入るが結論から言ってジャッジを行う判定員も、しょせん不完全な人間なのだということだ。
ボクシング経験0で素人の私めが見ても、違和感が残る判定結果だが、そういうルールの中で行われたタイトルマッチだったので、さぞかし村田選手は、いたたまれない気持ちで一杯だろうが、こればっかりはいかんとも、し難い。
ここで思い出したのが、日本人初の3階級制覇を成し遂げた亀田興毅氏【 30 】の「 亀田家バッシング問題 」である。
2006年のファン・ランダエタ選手【 38 】との世界戦を制し、ライトフライ級の世界王者に輝いたものの「 疑惑の判定だ 」として何故か採点係ではなく、亀田家がマスメディアからの猛烈なバッシングを浴びることに、なってしまった。
見た目めのイメージとは違い実は、かなりの人見知りだという亀田興毅氏のインタビュー記事には驚いたが、当時は「 地獄だった 」と言う本人の弁。↓
余談ではあるが、毎年催される「 日本レコード大賞 」なるものも、実は「 出来レース 」だという噂をネット上でチラホラ見かける。
業界関係者でない私めは、事の真偽は知る由も無いが、どこの組織もWBA・世界ボクシング協会も含めて結局は「 人間が集まったコミニュティ 」なのである。
そこで完全な公正なジャッジ、平等な判定を期待しても、それは理想を追い求める行為でしか無い。
現在32歳。
— 亀田興毅 -解体新書- (@koki_kameda1117) 2019年3月16日
全てはモチベーション次第。「亀田興毅」にとってのモチベーションとは… pic.twitter.com/ao8uBDM9Hu
WBA会長が正式に謝罪し再戦指令
21日、前日に行われたWBA世界ミドル級のタイトルマッチ王座決定戦の「 疑惑の判定 」で世界中が騒然とする中、ついにWBA[ World Boxing Association ]世界ボクシング協会の「 ヒルベルト・メンドサ・ジュニア 」会長が判定を正式に謝罪、異例とされる再戦を指示した。
先ずはメンドサ.Jr会長の認証バッジ公式アカウントのTwitterからシェア。↓
#Boxing #MurataNDam After judging the bout my scorecard is 117-110 for Murata. 2/5 pic.twitter.com/TsnalDaLnM
— Gilberto J Mendoza (@GilberticoWBA) 2017年5月20日
メンドサ.Jr会長は自身のツイートの中で自らが記録した採点表を公開し「 再戦 」と付け加えた上で、呟き今回の一連の騒動に一石を投じた。
むろん、メンドサ.Jr会長の採点は117対110で村田諒太選手の勝利である。
そして、次の様な声明も発表して、今回の一連の騒動を正式に謝罪した。↓
( 以下「 Sponichi Annex 」から引用 )↓
「 村田諒太と帝拳プロモーション、日本のボクシングファンにお詫びしたい。
ひどい判定が、もたらすダメージをどう回復させたらいいか、言葉が見つからない。
私はチャンピオンシップ委員会に再戦を要求する 」
( 引用ココまで )↑
そして、WBAの公式サイトでも、極めて異例とされる「 直接の再戦 」を指令したとする書き込みを掲載した。↓
「 リマッチ( 再戦 )など、やりたくない 」とWBAへの不信感を顕( あらわ )にした村田諒太選手だが、こうして正式に謝罪しているのだから、これで諦めずにミドル級世界王者のチャンピオンベルトを獲りに挑戦を続けて頂きたく思いつつも筆を置.....いやキーボードから手を挙げる事にする。^^
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※追記※10月22日に世界選の再試合が決定!↓
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