「 カネミ油症事件 」は1968年にカネミ倉庫株式会社【 本社:福岡県北九州市小倉北区東港一丁目6番1号 】が発売した食用油「 カネミライスオイル 」に含まれる猛毒のPCBが人体に作用して発症した公害事件である。
カネミ油症事件はカネミライスオイルが販売されていた九州地方を中心に西日本地域を中心に、1万4,000人以上に広がった公害病である。
つまり、食用油には本来、入ってはならない「 ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル 」いわゆる猛毒であるPCBが混入したことが、すべての始まりだった。
原因としては、脱臭用の熱交換の配管が溶接ミスに拠って中を流れていたPCBがライスオイル中に流出し、製造工程で猛毒であるダイオキシンに化学変化を起こして、商品に混入したということ。
カネミ油症事件の視察に五島市福江に行きました。48年間被害者は全身症状に苦しんでいる。ライスオイルに混入したダイオキシン類を摂取したため、121の認定項目では収まりきれない症状 pic.twitter.com/MKLmwgiTMV
— 山口りつこ (@RitukoYamaguti) 2016年8月30日
「 黒い赤ちゃんが産まれた 」とされる報道は、このPCBによる公害病が遺伝する事実を物語っているが、これなどは色素沈着による症状だと思われる。
以下に、カネミ油症事件で報告されている症状の一覧を示す。↓
報道されている「 黒い赤ちゃん 」は、ダイオキシン中毒症状の代表的な「 色素沈着 」に依るものだ。
ちなみに、食用油カネミライスオイルの製造工程で消臭に使われていた、熱交換用の配管の中を循環していたPCB( dioxin-like polychlorinated biphenyls. DL-PCBs )カネクロールを製造したのは、鐘淵化学工業株式会社( 現:株式会社カネカ )である。
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カネミ油症事件で、代表的な症状の中の一つに「 色素沈着 」が有るが、黒い赤ちゃんは、その代表的な例ではなかろうか。
カネミ油症の公害病PCBダイオキシン中毒の症状で遺伝するものの中には「 頭痛 」がある。
「 夫が頭痛に見舞われる。
家の中でうなり続ける夫を見る度に悲しくなる。
小学6年の子どもも吹き出物がでて
“なんでこんな油を食べさせたんだ”と責められる 」
( 長崎市内で油を買った女性 )
実際にカネミ油症事件でダイオキシン中毒に掛かった2世の方がテレビでインタビューに答えていた影像を見たことが有るが、酷い頭痛が半日続いて何も出来ない時が有ると語っていた。
カネミ油症事件で、あらゆる症状の根源である原因物質のダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBは一回、人間の体内に入るとなかなか抜けない。
だいたい数十年かけて、ようやく半分が抜けるか抜けないか?という所らしい。
そもそも体内に入ったダイオキシンPCBは、人間の細胞に「 酸化ストレス 」を与え続けると言われている。
酸化ストレスは、活性酸素と言い換えても良いが、細胞内のタンパク質やDNAが傷つく。
この過程の症状が、カネミ油症の特徴とも言えるが、まずもって全てのダイオキシンが体内から無くなる、ということはあり得ない。
ここが、カネミ油症事件の症状を長期化させる一番やっかいな部分ではなかろうか。
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カネミ油症事件の裁判は、20年の除斥期間( 権利の法定存続期間20年 )を経過してから国を相手取って提訴した原告団の訴えを退けた。
原告団は高裁に控訴したが、棄却されたので最高裁に上告したが、これも棄却された。
最初から猛毒物質のダイオキシンが食用油カネミライスオイルに混入していたら、誰も買わなかったに違いない。
カネミが温度計の保護管の先端部分にある穴の
拡大工事を行なった際の溶接ミスによって
それに近接していた蛇管が開孔し
PCBが漏出したのが原因である
それにしても消費者は、一般に売られている食用油が猛毒物質を含んでいるとは夢にも思わなかったに違いない。
カネミ油症事件で被害に遭われた方々には、お見舞いを申し上げますというほかないが、どうにかして事前に防ぐ手立ては無かったものなのか?
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